界面強度の評価は、炭素繊維強化プラスチックなどの複合材料の設計において重要です。分子シミュレーション...
界面強度の評価は、炭素繊維強化プラスチックなどの複合材料の設計において重要です。化学構造などを考慮した分子シミュレーションを利用すれば、複合材料の界面強度を評価することができます。そこで本研究では、電荷状態を考慮したグラフェンと樹脂 (Tria-X ポリイミド、DGEBA、トリエチレンテトラミン、ビニルエステル、PA6) との界面エネルギーを、分子動力学シミュレーションにより評価しました。まず、界面エネルギーと実験的に得られた界面強度を比較しました。続いて、界面エネルギーと界面強度から線形近似を用いて決定係数R2を計算しました。また、相関係数を計算したところ、高い相関関係を示しました。このデータから、界面強度と界面エネルギーの間には関係があると推測されました。さらに、実験的に得られた界面強度とシミュレーションによって得られた界面エネルギーとの関係の大きさの妥当性を評価した。さらに、グラフェンの酸化を考慮して、樹脂と3種類のグラフェン(OH、COOH、O基で官能基化)との界面エネルギーが得られ、グラフェンのさまざまな酸化表面処理が対応する界面強度に及ぼす影響を調べました。